1998年8月22日の日記。

彼女と甲子園に行った。彼女は野球観戦は初めてだ。

退屈かもしれないが、高校野球だし、一試合だけなのですぐに終わるだろうし。

なぜ一試合だけなのかというと決勝戦だからだ。横浜高校と京都成章。

横浜には、史上五校目の春夏連覇がかかっている。

京都成章には申し訳ないが、横浜が負ける未来像が見えない。結果は見えている。

後は横浜がどんな勝ちっぷりを見せてくれるか。松坂がどんなピッチングを見せてくれるかだ。

外野席左中間付近に陣取る。天気は快晴。満員御礼だ。

盛り上がる空気感の中、彼女もさほど退屈そうにはしていない。よかった。帰ろうなんてだだをこねられちゃ困る。

緊迫した試合だ。横浜が少しずつ圧迫していく。点差は開かない。しかし、追いつかれそうな雰囲気も感じない。そうか、ランナーが出ないから失点の気配を感じないんだ。

四球こそあれど、ノーヒットピッチングが続く。成章も良く守り、締まった試合。

8回、ダメ押しの3点目が入る。高校野球で3点差は、決してセーフティーリードじゃない。

でも、充分なリードに思えた。3点どころか、3人ランナーを出すことすら、不可能に近く思えた。

そして最後のスライダー。あっという間の試合終了。あっという間のノーヒットノーラン。

決勝戦でのノーヒットノーランと春夏連覇の瞬間を、この目で見ることが出来た。

まるで歴史の生き証人にでもなった気分だ。あっという間に終わり、彼女のご機嫌も悪くない。

しかし、熱い甲子園での暑い夏日は堪えたのか、泳ぎにでも行きたいということになった。

甲子園からほど近い、鳴尾浜のプールに行った。歴史を目撃した高揚感を、泳いで冷ます。

彼女にはエライもんを目撃できたということを何度も力説したが、伝わったのだろうか。

多分、鬱陶しい奴だと思われただけかな。

 

…プールサイドに異様な風体の集団が。プールで、Yシャツにスラックスのおっさんの集団。

なんやあれ。

チラチラと様子を見ていると、どうやらプールサイドでバーベキュー、というより焼肉を始めた。

ここってそんなんアリなんかい。そういや俺も腹減ったよなあ。って思いながらちょっと近づいてみる。

おや。どっかで見た顔やな。赤ら顔のおっさんが鼻の穴をおっぴろげながら楽し気に肉食ってる。

あれは…尾藤さんやな。箕島の尾藤さん。なんでプールサイドで焼肉…。

Yシャツにスラックス軍団を見てみると、ABCのアナウンサーも。どうやら、朝日放送の甲子園中継終了後の打ち上げってとこか。

なるほど。横浜の春夏連覇のかかった試合を、春夏連覇経験者の尾藤監督が解説してたわけか。

ところで、日も高い夏の日に、プールサイドでビール片手に焼肉とは羨ましいだの、腹が減ったの。

彼女に尾藤監督がおると力説。今度は間違いなく伝わっていない。まあこんなもん。

腹減ったし、プールを後にすることにした。

今日は、史上五校目の春夏連覇と、史上二人目の決勝戦でのノーヒットノーランと、史上何回目かはしらんけど、プールで焼肉を食う尾藤監督が見れた。

いい日だったような気がする。

あ…今思ったけど、尾藤監督と尾藤イサオって微妙に似てる気がする。

あ…あとなんでかわからんけど彼女にフラれるような気もする。

底辺住男

馬鹿です。低学歴です。 社会の底辺ゆえに、不平不満を漏らすことで傷ついた自尊心を満たします。 腹が減ったら飯を喰らいます。 低知能ゆえに、本能に支配される低俗な動物です。 それでも死ぬまでのあいだは生きているようです。

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